「今日の一言」

2008/06/30

母の手紙

探し物をしていたら、母が同窓会会報に送った手紙の原稿が出てきました。 これを書いていた頃の母の年齢に、私も徐々に近づきつつあります。 

      「声楽との出会い」  (原文のまま)

50年の歳月は、神の摂理の不思議さと、その深さを教えてくれます。 在校当時、オルガン教則本がやっとだった私を、何時しか音楽に生き甲斐と喜びを見出させ、或る時は夢中にさせてしまったからです。  

高等科女子と青年学校女子の音楽を担当させられた時、伴奏が弾けなくて困り果て、毎週、母校の山田先生の許に通ったものの、楽器は買えず、早朝と先生方帰宅後、学校のピアノをお借りして夢中で練習したものですが、「自分で楽器を持たねば上達は困難」と知りました。 

ふと、小学校6年の時「庭の千草」を音楽会で独唱したことが自信となり、声楽を志して、鷲崎良三先生(当時芸大講師)の門に入り、10年近くレッスンを受けました。 昭和21年、才能教育研究会声楽科に入会、22年、中部日本新聞社主催の音楽コンクール声楽部門で第3位に入賞しました(1位2位該当者なし)。この時を機に、声楽に力が入りました。 

早いものですね、、 娘も結婚し夫婦でヴァイオリンを教えております。 時々遊びに来る1才9ヶ月の孫も、小さなヴァイオリン(32分の1)を顎に当て弓を手にして、両親の真似をするようになりました。 軍歌しか歌えなかった夫も、娘のお稽古につられてヴァイオリンの曲を何曲も口ずさんだものですが、今は政治に人生を賭け、毎日、永田町の事務所に通っております。 

この数年、自分の時間がとれるようになり、歌曲のレッスン、コーラス、読書会(内村鑑三聖書研究)、詩の教室(高田敏子先生指導)と、50年前に戻った感じです。

「私達の人生は、これから始まるのだ」と、夫とも話し合っているところです。

母がこれを書いたのは60歳頃。 当時、私は、母が自分のしたいことを諦めて家庭に入り私を育ててくれたことに、少しの後悔もなかったのか疑問に思っていました。 もっと勉強したかったのだろう、、と。 でも、色々経験を重ねた今、こう思います。 勉強だけで、良い演奏が出来る訳ではない! 人生の様々なこと、経験を通して、人間は成長し、それが、人の心を打つ音楽に繋がるのだろう、、と。 母の人生は、良い人生だったのです。 楽器も防音室も持っている私は、その幸せさを、もっと感じなくてはいけないな。 さ、練習しよっと! 

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